症状から考察する社交不安障害

会話をする、顔を合わせる、人のいる場所に身を置く。これらはコミュニケーションの基本と言えます。しかし「社交不安障害」(社会不安障害、SADとも)は、こうした当たり前の社交に恐怖や不安を覚え緊張状態へ陥るのです。当然、不安を回避したがり学校や職場にも行きづらくなるため、社交不安障害が不登校や引きこもりの原因にも。なお社交不安障害は、6~7割程度が女性とも言われています。

人前など緊張しやすい場面で「赤面してしまうのでは」と不安になる症状です。この時、実際には赤面していなくても不安症状は消えません。問題はやはり「他人にどう見られているか」「変に思われているのでは」と言った、他者からの視線そのものに対する不安感情です。その意味では「視線恐怖症」とも極めて近いと言えるでしょう。
治療法は、カウンセリングや投薬が中心。しかし「朝太陽の光を浴びる」と言った、今すぐ実践可能で意外な方法も効果的なようです。

周囲の視線に不安や恐怖を感じる症状です。特に思春期は、心身共に不安定な時期。ある意味では誰もが他者からの視線を気にするようになります。ただし、その緊張・恐怖が度を超えると、不登校や引きこもりという行動のきっかけともなり得るでしょう。
さらに「見られている感じ」から「監視されている」と、強く妄想的な考えに囚われ始めたら要注意。統合失調症の可能性もあるため、早めにお医者さんへ相談することが必要となります。

日本人の1%程度の方が悩まされていると言う吃音症。吃音症の方の約9割が、5才までにおおよそ発症すると言われる「発達性吃音」です。その独特な話し方から、特に子どもの間では、からかいやいじめの対象になりやすいとも。人前では大丈夫なふりをしていても、深く傷ついている場合もあり、それが不登校へと繋がる危険性は否定できません。「発達性吃音」の症状は、言葉の軽い繰り返しから始まることが多いよう。早期の段階で是非とも、専門家へ相談してみましょう。

人前でも、特に異性の前で、極度に緊張したり不安になったりする症状です。その症状は「赤面恐怖症」「視線恐怖症」「会食恐怖症」「発汗恐怖症」などで様々な形で現れてくると考えられますが、それが特に、異性の前という状況で顕著な時には「異性恐怖症」の可能性も出てきます。
そのきっかけの1つとして懸念されるのが、深層にある恐怖心の源、異性に対する何らかのトラウマ体験です。異性恐怖症の原因を掘り下げていくと、実は「いじめ」や「虐待」など深刻な事由にたどり着くことも。

社交不安障害(SAD:Social Anxiety Disorder)への理解を深める意義

アステラス製薬の調査によれば「7人に1人程度が社会不安障害の可能性がある」ことがあきらかに。社交不安障害のいずれもが、その症状のため「他者や社会と切り離される」ことに繋がりやすく、相談や治療の機会を長期間逸することも少なくないようです。ケースによっては早期治療を受けられなかったことで社交不安障害からうつ病や依存症、統合失調症に繋がるなど、より社会生活が困難になることも予想されます。社交不安障害は、単に性格や気持ちの問題ではない、治療法が必要な病気なのです。
10代の発症が確率的に多いと言われることから「不登校」「引きこもり」の一因としても無視できません。社交不安障害は「不登校」「引きこもり」と強い関連を持つと考えられているため、この症状への理解を深めることで予防や素早い対策も可能となるのです。