「引きこもり」の表現が時に「暴力」へ

引きこもりは「他者との交流が希薄になり、自分のことが中々理解されにくい」という辛さが。そこで溜まってゆくフラストレーション・暴力衝動は、外側に向くこともあれば、自傷や依存症のような形で自身に向くことも。抱えた大きなフラストレーションが、行き場のない怒りや辛さが暴力という形で表現されているとも言えるでしょう。

引きこもりと暴力について解説

感情を押し殺しやすい傾向

内閣府の調査「若者の意識に関する調査(ひきこもりに関する実態調査)報告書」(2010年)では、引きこもりの方は何らかの破壊衝動をもつ割合が一般の方に比べて高いことが確認できます。(同調査の「不安要素についてあてはまること」を参照)さらに下表をご覧下さい。

自分の感情を表に出すのが苦手である
ひきこもり群 親和群 一般群
はい 32.2% 38.2% 12.3%
どちらかと言えば
はい
39% 23.7% 31.4%

引きこもり・引きこもり親和群の方たちは、自分の感情を表に出すのが苦手な傾向に。つまり、ストレスやわだかまりを溜めやすいと考えられます。このため、いざ許容量を超えてしまうと「暴力という表現」に、しばしば繋がりやすいわけです。

引きこもりの暴力ケース

「若者の意識に関する調査(内閣府)平成22年度」より

引きこもりの方に見られる暴力行為を詳しく見て行きます。「若者の意識に関する調査(内閣府)平成22年度」(「不安要素」という項目)を見てみましょう。

不安要素
ひきこもり群 親和群 一般群
壁を蹴ったり
叩いたりする
10.2% 25.2% 6.2%
食器などを投げて
壊すことがある
8.5% 4.6% 0.9%
大声をあげる、
怒鳴ることがある
8.5% 20.6% 9.8%
家族を殴ったり
蹴ったりしてしまう
5.1% 10.7% 2.2%
自傷行為を
してしまう
8.5% 5.3% 0.8%

引きこもり・引きこもり親和群の方たちは、自分の感情を表に出すのが苦手な傾向に。つまり、ストレスやわだかまりを溜めやすいと考えられます。このため、いざ許容量を超えてしまうと「暴力という表現」に、しばしば繋がりやすいわけです。

引きこもりでの暴力対処法

引きこもりには「一過性の暴力症状」も

家のドア

引きこもりは、快方までに大きく4つの段階があると言われています。実はその過程で一時的に、暴力行為が表出することは珍しくないのです。引きこもりの方は激しい内的葛藤と戦うため、そこで怒りやストレスが発生します。しかし、その核心を理解することはプロであっても簡単なことではないのです。さて、暴力行為(DV)の慢性化を防ぐには、1.気持ちは分かるが暴力には訴えないように説く 2.暴力の対象者(親・兄弟)を一時的に避難させ、遠ざける 3.警察、精神保健センター等に相談する、等が考えられます。もちろん、何よりも先に専門家への相談が不可欠。家庭内だけで抱え込まないようにしましょう。