不登校の定義とは

厚生労働省によれば、不登校とは「心理的、情緒的、身体的、または社会的な背景・要因で児童が登校できない、あるいは登校しない状態」を指しています。具体的には、病気・経済的な理由を除いて年30日以上欠席している状態です。
なお、「断続的な欠席」と「連続的な欠席」を分けるべきかいう問題については、明確なラインが示されていないようです。

不登校の現状を知る

データからわかる「不登校」のこと

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近年、不登校生徒数(年間30日以上欠席)は6年ぶりに増加しました。官民を問わず行われてきたさまざまな対策が功を奏したか、と思った矢先のこの結果。不登校問題は、まだまだ予断を許さない状況にあると言えます。(文部科学省の「学校基本調査(速報)」平成26年度、より)
不登校のきっかけとして多く挙げられているのが「無気力」や「不安などの情緒的混乱」です。この他、「学業不振」や「友人関係」の悩みは、小中高を通じて、常に1割前後の生徒を不登校へと導く原因となっているようです。
(内閣府「子ども・若者白書」平成25年より)

「不登校の定義」も時代と共に変化

「不登校」は純粋に状態を指す言葉

不登校の定義

病気などの理由を除いて年間30日以上の欠席がある…。これが現在の「不登校」の定義です。「不登校」という言葉が主流になる前は「学校恐怖症」「登校拒否」という言葉がよく用いられていました。
なお、学校基本調査の中で定義されている「不登校」の意味も以下のように変化してきたのです。
・ 1966年〜1990年:50日以上欠席している児童生徒。不登校ではなく「学校ぎらい」と呼ばれていた。
・ 1991年〜1997年:30日、50日以上欠席している児童生徒で「学校ぎらい」と呼ばれていた。
・ 1998年以降:30日以上の欠席状態。この頃から「不登校」という言葉が使われはじめ、名称変更されました。
「学校恐怖症」は60年代からよく使用され、不登校は「個人的な病」と捉えられていました。また「登校拒否」が70〜80年代より呼ばれ始めた頃、不登校は「教育問題」という捉え方が主流に。しかし、いずれも「学校ぎらい」と枠内で議論されていました。
照らし出される問題の広さ、深さが明らかになるにつれ、原因を特定しない言葉「不登校」が、90年代より広く用いられるようになったと考えられます。「不登校」は現在「純粋な欠席状態」を指す言葉となったのです。

不登校研究と調査のさらなる必要性

不登校の将来と展望について

不登校の将来と展望

不登校のきっかけを大別すると「本人」「家庭」「学校」のいずれかに問題を見つけられることが多いようです。しかし、その内容を細かく分けるとすぐに約15通り以上にも。また、いずれもきっかけや原因は複合的であることが多いようですので、各々型にはめ込むのは難しいと言えるでしょう。
不登校原因が「その他」や「不明」のケースも全体の約5%。不登校調査と研究はさらに必要と言えます。
不登校の定義は「30日以上の欠席状態」で、本来は「病気」という理由であれば不登校とは扱われません。しかし「心の病気」や「今まで病気だと考えられてこなかった状態」については、現状で「病気」という扱いが受けられず、不登校として扱われてしまうケースも少なくないようです。
例えばADHD(注意欠陥・多動性障害)や、起立性調節障害(自律神経に関係し身体に不調が表れる。女子に多い)、社交不安障害、うつ病、などは不登校原因としてようやく最近になって注目されはじめたものです。将来、このような状態であると認められた場合「不登校」という扱いを受けなくてすむようになるかも知れません。また、不登校初期の段階で早めにこれらの可能性を疑うガイドラインも作成されてくることが予想されます。そうすれば、現状で出されている文部科学省の不登校人数データが大幅に変わる、ということも考えられるでしょう。
また「その他」や「不明」のケースも全体の約5%。不登校調査と研究はさらに必要と言えます。
将来的には、施策や、教育制度そのものの見直し等がきっかけとなり、また「不登校の定義」も大きく変化していくことでしょう。

参考URL

  • http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2011/03/07/1
  • http://web.office.hyogo-u.ac.jp/nanacs/situation.html