引きこもりからの社会復帰

40歳未満の引きこもり数は、推計約70万人。そのうち引きこもりの状態になった年齢は10代が34%と最多です。しかし、20代、30代からの引きこもりも少なくありません。引きこもりは、人生のどの段階でもなる可能性があるのです。
暴力や自傷行為などの「緊急事態」も予測できるため、引きこもりからの社会復帰には専門家が不可欠といえます。
(内閣府「子ども若者白書」平成25年全体版および、2010年に内閣府が発表した「若者の意識に関する調査(ひきこもりに関する実態調査)報告書」より)

社会復帰について

まずは引きこもりの「原因」から知ろう

引きこもりの「原因」

内閣府の調査「若者の意識に関する調査(ひきこもりに関する実態調査)報告書」(2010年)の「自身にあてはまること」の項目を見ます。ひきこもりの方たちは、一般の人たちと比較して「自己評価が低く、コミュニケーションが苦手、干渉を嫌う」傾向が認められました。
続いて同調査の「ひきこもりになったきっかけ」を見ましょう。「職場になじめなかった」(23.7%)「不登校」(11.9%)「人間関係がうまくいかなかった」(11.9%)「大学になじめなかった」(6.8%)など、「人間関係の構築や場になじむこと」を彼らが不得意としていることが分かります。
これは引きこもりの原因であると共に「引きこもりの長期化も助長させている」と言えるでしょう。

引きこもり問題の裏側

不登校との深い関わりの歴史

不登校との深い関わりの歴史

不登校に対して、介入的であるべきか、受容的であるべきか…。この議論は、現在のように不登校が大々的な社会問題となる前からありました。「父親が強くなれば良い」「教師の締め付けが原因である」など。
文部科学省では1992年より「強い登校刺激は避けるべき」(学校不適応対策調査研究協力者会議)という方針を打ち出しました。
しかし2001年には、不登校生徒数が過去最大を更新。予後調査から「不適当な不登校の放置が、引きこもりやニートの増加など、問題をかえって悪化させた」と捉えざるを得ない結果が。
こうして、2003年の学校不適応対策調査研究協力者会議では「見守るだけではない不登校対応」を打ち出し、それが現在の施策にも反映されています。

引きこもりから解決への4段階

専門家やカウンセラーと共に歩む

引きこもりに4つの段階があることを知っておきましょう

引きこもりの4つの段階
段階 特徴 ケア
1. 準備 問題行動や何らかの心身症状が現れる 当事者の心によく耳を傾けましょう。
2. 開始 葛藤や迷いが激しさを増す。この時、家庭内暴力などの行動が出る場合も。 家族、関係者は余裕をもって本人と接すること。無理に社会との関係を持たせようとせず、十分に休養させましょう。
3. ひきこもり 前段階での「葛藤」が弱まる時期です。まずは様子を見、長期化の可能性も出てきた段階で、積極的な手段も考えいきます。 家族や周りの人の我慢を要する。辛抱強く見守り、社会復帰を急かさない。ただしあまりにも長期化する場合には対策を考えるべきです。
4. 社会との再会 少しずつ外界との接触がはじまる時期。試行錯誤や活動が開始されます。 この時期はまだリハビリ期間と思い、冷静に見守ること。周りが過度に喜んだり、社会との接触をお膳立てすることは避けた方が無難。あくまで焦らせないように。

(茨城県「ひきこもり相談支援マニュアル」より)

上図の「3」の段階でストップするのが「引きこもりの長期化」です。適切に「4」の段階まで導くために。引きこもり解決には、是非とも専門家の力を借りるようにして下さい。

参考URL

  • http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/hikikomori/pdf/gaiyo.pdf
  • http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/hoken/seisin/homepeji.fairu/hikikomorimanual.pdf
  • http://www.kyutoku-clinic.or.jp/html/shiryou2.pdf
  • http://health.goo.ne.jp/medical/search/104B0600.html